年が明け、2015年。今年のJ1は2ステージ制の復活など大きな変化が待ち受けており、これまで以上に予想が難しい一年となることだろう。

そんな期待半分、不安半分な新シーズンを前に、ガンバ大阪が2000年の鹿島アントラーズ以来となる三冠を達成した2014シーズンのJ1を観客動員データとともに改めて振り返ってみたい。

まずは平均入場者数のランキング。1位は今年も浦和レッズ。2006年から9シーズン連続の首位をキープした。

ただ、惜しくも準優勝に終わったものの2位という好成績を考えれば、「平均1,584人のマイナス」という数字には大きな“爪痕”が隠されている。そう、J1第2節、ホーム開幕戦となったサガン鳥栖戦で発生した、人種差別的行為に関する問題である。

入場ゲートに掲げられた「JAPANESE ONLY」のバナーを放置するという浦和の対応を重くみたJリーグは、史上初の無観客試合処分を決定。次のホームゲームとなった第4節の清水エスパルス戦、観客のいない無機質な埼玉スタジアム2002で行われた試合は、2014年のJリーグにおける最も苦い思い出として記憶されている。

なお、この試合の「0」という数字を除いた平均動員は37,736人で、前年よりも6.3%のプラス。また、無観客試合が1-1の引き分けに終わった点は、浦和、清水の両チームにとって最後の最後で大きな意味を持った。

J1では他にも思いがけない事態が発生した試合が二つほどあった。理由はともに、雪である。

記憶に新しいところでは、12月6日のJ1第34節、アルビレックス新潟対柏レイソルの試合が、ちょっぴり早い大雪により当日に開催を中止。最終節であることに加え両チームの要望などもあり、2日後の12月8日、カシマサッカースタジアムで代替開催されることが決まった。

しかし、平日夜の試合ということもあってサポーター側の対応は難しく、試合を観戦したのはわずか2,104人。新潟は通常のホームゲームの10分の1以下しか入らなかったため、この試合まで24,284人だった平均入場者数も大きく低下。ランキングでも横浜F・マリノスに抜かれて4位となっている。

もう一つ雪の影響を受けたのが、ヴァンフォーレ甲府の開幕戦。こちらは山梨中銀スタジアムでの鹿島アントラーズ戦が一週間前に発生した記録的な大雪により、日程はそのままで代替開催されることに。ただ、両チームのホームタウンから見てほぼ中間地点にあたる国立競技場での開催となったため、観客数も13,809人と影響は軽微であった。

この開幕戦で鹿島に0-4の大敗を喫した甲府だが、城福浩監督のもとで最終的には2季連続のJ1残留を達成。これを置き土産に城福監督は退任しており、今季は前年まで横浜FMを率いていた樋口靖洋氏が指揮を執る。