リールで評価を高めたハリルホジッチ氏であるが、2002年に退任を決断。2002年10月にフィリップ・ベルジェロー氏を解任したレンヌへと移ることになる。

それは一説にはクラブの経済規模に限界を感じたからであると言われているが、だとすると後にリールがフランス屈指の強豪に成長したのは皮肉である……

当時最下位に沈んでいたチームに堅い守備を持ち込み、冬には5連勝を飾るなどで巻き返し。終盤は再び崩れたものの15位で残留を勝ち取った。

ちなみに当時のレンヌはモンテリュビオやピキオンヌ、レヴェイェール、ペトル・チェフ、ソルラン、マウリダ、エスキュデなど名選手が目白押し。特にチェフはこれがフランスでのデビューシーズンであった。

(レンヌ時代の初々しい好青年チェフ)

そして2003年には古巣でもあるパリ・サンジェルマンの監督に就任。初年度でリヨンに次ぐ2位という好成績を残した。

ブラジル代表FWロナウジーニョをバルセロナに売却した資金を使って引き抜いた新戦力のポルトガル代表FWパウレタも得点王となり、全てがうまく進んだシーズンとなっている。

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