1987年に現役を引退したハリルホジッチは、自身の出身クラブであるヴェレズ・モスタル(ボスニア・ヘルツェゴビナ)で監督デビュー。名を上げたのは1990年代後半から2000年代前半にかけてである。

1997年に就任したラジャ・カサブランカではモロッコリーグとCAFチャンピオンズリーグの2冠を達成。次年度には当時フランス2部で苦しんでいたリールの指揮官に就任する。

初年度は4位に終わるも、2年目には失点を10減らすことに成功し、2部で優勝。ディヴィジョン・アン(当時の1部リーグ)に昇格を果たすと、復帰初年度の2000-01シーズンに3位、その次に5位という好成績をあげ、欧州にその名を轟かせた。

また、2001年8月のUEFAチャンピオンズリーグ3次予選では、中田英寿が在籍していたパルマを相手に勝利を収め、本大会1次リーグへの出場権を獲得したことで知られている。

ちなみに、このリールで台頭してリヴァプールに移籍したのがかつてのフランス代表MFブルーノ・シェルーである。

(2002年にリヴァプールへ移籍したシェル―)

なお、その後を継いだのが後にチームを成長させるクロード・ピュエル氏(現ニース監督)であるが、彼は初年度に引き継ぎに失敗しており、得点が取れない&失点は増えるという状況で低迷。軌道に乗るまでには1年以上の歳月を要している。

【次ページ】レンヌ、PSGで評価をさらに高める