チェルシーの2失点目

2失点目の直前、クルトワのビッグセーブでなんとか防いだ場面も同様の問題が見られていた。

ニアに今回はアスピリクエタ、ズマ、コスタの3人が配置されているのだが、彼らが守備においてニアに寄り過ぎていて、最も空中戦において危険なCBコンビ「ダビド・ルイス、チアゴ・シウバ」の2人を上手く挟み込むように守ることが出来ていない。

ニアの3人がFWの動き出しに釣られ過ぎている問題点が、この時点でも解決されていなかったのだ。

2失点目、試合を決めることになった失点シーンは、「ニアを守ろうとした結果、ファーサイドが疎かになってしまった」という意味で所謂逆パターンと言っていい。しかし、問題の発端はやはりニアでの受け渡しの失敗だ。

今回も、空中戦に強いズマはカバーニに釣られて内側へ。こうなると、彼の守るべきゾーンが甘くなってしまう。実際残っていたのはMFのセスク。テクニックに優れているものの、フィジカルには不安が残る彼に競り合いを期待すると言うのは難しい。

ニアのエリアから最初の同点弾を食らってしまったこともあり、過剰なほどにDF陣の意識が内側に偏る。ここではダビド・ルイスのスペースを消そうと、緑のゾーンに全体がスライドしようとしている。

ここでズマが引き出されていなければ、緑のゾーンに過剰に全員が釣られてしまうことも無かったのかもしれない。

実際の失点シーンでは、内側に全体が寄ってしまっていることが良く解るはずだ。

ズマの出たスペースを埋めようと全員が寄って行った結果、チアゴ・シウバが瞬間的ではあるもののフリーに。DF陣も、中を向いていたことから彼の位置取りを把握しきれていない。そして、何とかバックステップでDFが寄せていったものの、時既に遅し。

難しい、遠距離からのヘディングを沈めたチアゴ・シウバを讃えるべき部分も大きいが、それでも守備がしっかりと彼をマークしていれば、このような失点は起こり得なかったはずだ。

「自分たちでバランスを崩してしまい、結果的に人をマーク出来なくなっている」のはこのレベルになってくると致命傷になってしまう。

クルトワの機敏な対応も裏目に。