チェルシーの1失点目
これが、86分に決まったPSGの同点弾、コーナーキックが蹴られる前のチェルシーの守備体系だ。
この状態では大きな問題はないが、強いて言うならマンツーマンにおいて、ファーに余る選手がいないことは問題かもしれない。ミドルを撃たれる可能性があるゾーンを意識しているウィリアンがマーカーとして参加するか、もしくはニアのゾーンの選手が1人中に参加する方が、全体のバランスを保てた可能性もある。
また、ニアの3人の中に5番のCBズマ、FWのジエゴ・コスタが入っている点も問題だ。空中戦に強い2人をニアに割いてまで、ニアの警戒を強める理由があったのだろうか?
確かにカバーニの動き出し自体は危険だが、単純な高さというよりも動き出しで勝負するタイプというのもあり、ニアの3人に空中戦に2人が強い選手を含めてしまったのはミスとなったのかもしれない。
この画像は、イタリアでロベルト・マンチーニがインテルを指揮していた時代(※2015年現在ではなく、2004年~2008年)に使っていたコーナーキックでの守備体系の説明図。ロベルト・マンチーニの場合は、全般的にゾーンDFでコーナーキックを守るようなスタイルを取っていたが、ニアの配置はこの形に近いと言えるかもしれない。
このゾーンでの守備を考えると、3枚は動きすぎずにニアで決まったゾーンを守っておく必要がある。また、当然なことではあるが、ゾーンに入ってきた選手をしっかりと捉える必要性も出てくる。
しかし、チェルシーで実際に行われていた守備はゾーンというよりマンツーマンに近いものだった。
ズマはカバーニに釣られてポジションを空けるようにマークに向かっており、コスタも背後から狙っているカバーニの走り込みに反応出来ていない。ニアのゾーンでのコミュニケーション不足が明らかだ。