東南アジアでの立場は?

では、そのシンガポールというチームの実績、そして東南アジアでの立場というのはどのようになっているのだろうか?

この地域では比較的強豪の一つであり、現在ではスズキカップと呼ばれている東南アジアサッカー選手権では4度の優勝、SEAゲームス(東南アジア競技大会)でも準優勝3回と結果を残している。

直近での最も大きな栄光と言えるのが、2012年のスズキカップ優勝。グループリーグでインドネシアに敗れたものの、準決勝でフィリピン、決勝でタイを破って頂点に立っている。


【14日はNACK5スタジアムで練習を行ったシンガポール代表】

しかし、2013年に就任したドイツ人監督ベルント・シュタンゲ氏の下ではまだ目立った結果を出すことが出来ていない。

2015年アジアカップ予選ではシリアにホームで勝利するも、アウェイで4失点を喫して大敗し、最終的には6試合で17失点を喫して最下位。

地元開催の2014年スズキカップでは初戦でミャンマーに勝利したがマレーシア、タイに連敗し、グループリーグ敗退に終わってしまった。この際には、メディアから代表チームに対して大きな批判が巻き起こっている。

先日11日に行われたワールドカップ予選の第1節、カンボジアとの試合ではアウェイで0-4と大勝したが、相手との力関係を考えれば勝利は当然である。セットプレーを蹴ればほとんど味方が触るくらいだったのだから、相手の守備の弱さに助けられた結果である。

このところのシンガポールは、東南アジアで成長著しいタイとベトナム、安定しているマレーシア、外国人選手の引き入れで強化を進めるフィリピンから一歩遅れている立場にある。

なお、カンボジア代表の監督は日本サッカー協会から派遣されている小原一典氏が務めているが、攻撃面やパスワークに魅力を出している反面、守備にはまだ手を付けられていないようだ。

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