今夏、早々にリヴァプール移籍を決めたミルナーは29歳。マンチェスター・シティから契約延長のオファーを受けていたが、シティでの扱いは準スタメン。シティのように資金力が充実したクラブでは毎年のように新戦力が加入する。4、5年という長期の契約は望めず、出場機会も得られなくなっていけば、サッカー選手としてのキャリアが立ち行かなくなるのは明白だ。
マンチェスター・シティと契約延長するよりも高く評価してくれているリヴァプールにできるだけ良い条件で長期契約を勝ち取ることの方がベターであり、フリーエージェントであればすぐに決断することができる。
ケディラは長友と同じ28歳。レアル・マドリーからオファーを受けていたものの、契約延長を拒否して移籍した選手である。ミルナーの状況と似ており、レアル・マドリーで準レギュラーで過ごすよりも、他のクラブで出場機会を得ることを選択したと見て良いだろう。そして、接近してきたのがユヴェントスだ。
ポール・ポグバ、アルトゥロ・ビダル、アンドレア・ピルロの中盤に揃って移籍の噂があったユヴェントスにとって、フリーエージェントで獲得できる28歳のドイツ代表は魅力的だったはず。ピルロが去り、ビダルが去ろうとしている今、ケディラには良い契約条件が示されたに違いない。
さて、話を長友に戻そう。ご存知の通り、長友本人は何度もインテル愛を強調している。しかし、「何が起きるかわからない」として移籍の可能性を否定していないのは、自らの将来を考えての事だろう。
日本人としてインテルでポジションを勝ち取って欲しいと願うが、ポジションを勝ち取るチャンスすら与えられない状況であれば、ミルナーやケディラのようにうまく立ちまわって欲しいものである。