思った以上に居心地が良い
スピードでは完全に置き去りにされ、競り合いには膝をつき、あげくには股抜きを三度もくらう体たらく。「相手はおっさんだし、接待プレーしないとな」などど侮りまくっていた試合前の自分を全力で殴りたい。
しかも、先輩方はそんな礼儀知らずの若輩者に愚痴をこぼすこともなく、無言でフォローしてくれている。その姿は背中で生き様を語る「レジェンド」そのものだ。
まるで、サッカーを通して人とは何か、生きるとは何かについて、優しくレクチャーしていただいているかのようである。
そう、このイベントの素晴らしさはそのフィールド環境だけではなかった。先輩方の包容力、それこそが最高のファンタジーであり、そうした優しさに包まれてプレーしているうちに筆者の身も心もほっこり温まり、あっというまに素敵な体験時間は過ぎていった。
ゲームを終えた率直な感想は「楽しい」の一言に尽きる。レベルが高いにもかかわらず、雰囲気はとても穏やかで、本当にとても居心地がよいのだ。
合間に話をうかがうと、全国大会に出場したこともあるという50代の猛者の方もいれば、イベントに参加するまでまったくボールを蹴ったことがなかったという未経験者の方もいた。
1時間という短い時間ではあるが、グラウンドが大きいため、他チームの試合を見学することもなくひたすらゲームをすることができる。がっつりボールを蹴りたい人にも充実のプログラムである。
誰もが気兼ねすることなく和気藹々とプレーできる本イベント。サッカーを愛するシニア世代の皆さんにぜひ体感していただきたい限りである。