後年、「クライフのPK伝説」を試みようとまれに似たような事例を見ることができる。しかし、アーセナル時代に挑戦したローベル・ピレスは緊張からボールをミスキックしてしまい失敗に終わっている。
そんな中、唯一成功させているのがサンフレッチェ広島だ。2010年のACL浦項戦でキッカーの佐藤寿人は、槇野へパス。槇野はそのままゴールを決めた。「クライフのPK」のケースと違うのは槇野がボールを佐藤寿人に戻さずに自らゴールを決めた点だろうか。
だが、トリックプレーは解釈が難しく審判さえも迷ってしまうことがある。それが、後年、同じく広島が清水エスパルス相手に決めたトリックプレーである。それは、槇野がキックを蹴るふりをしてボールをセット、準備大勢に入ると、いきなり佐藤寿人が現れゴールを決めたというものだ。清水のGK西部洋平は「おかしいと思ったけど…。寿人が走り出して、えっ!と思った」と語っている。
だが、こちらは後日反則だったとして誤審が認めている。それはフリーキックと違い「ペナルティキックはキッカーが特定されなければならない」ためである。