Qoly年末年始恒例のプレイバック企画! 2016年になったと言うことで、昨年掲載された中から好評だったものをもう一度。
今回は7月20日に配信された『ロシアW杯、開催4年前に再設計した”飛び地スタジアム”は間に合う?』をピックアップ!
7月19日、『TVN』は「2018年ワールドカップで使用される予定のアレーナ・バルティカ(カリーニングラード)は、時間との闘いをスタートさせている」と報じた。
ロシアで行われるワールドカップまであと3年。使用される会場は12カ所で、新設の競技場はそのうち7つ。そのほとんどは準備が進んでいるか、あるいは既に完成を迎えている。
しかしその中で心配されている場所があり、それがカリーニングラードのアレーナ・バルティカ。リトアニアとポーランドに挟まれたロシアの飛び地領土であり、街に43万人、州全体ではおよそ100万人が住んでいる。
そのカリーニングラードを流れるプレゴリャ川の中州に建設が予定されているのがアレーナ・バルティカであるが、まだその予定地には荒涼とした砂地が広がっている。まるで2022年のカタールの会場と言わんばかりの状況であるという。(Google mapはリアルタイムの画像ではありません。場所の参考として下さい)
また、カリーニングラードにはロシア・プレミアリーグでプレーしているチームはない。2部にFKバルティカが所属しているが、昨季は3部降格の危機にあった小クラブだ。
アレーナ・バルティカは当初4万5000人規模の計画で、可動式屋根がインストールされることが決まっていた。その後収容人数は1万人削減され、屋根も断念されるなど2014年9月にエカテリンブルクとともに再設計されたが、それでもFKバルティカに3万5000人を満たすだけの経営が出来るのかどうかが疑問視されている。
中州という場所の関係で、水位の上昇に対する対策、そして土地の強靱化のために採石場から450万トンの土砂を運び込む作業が終わった。しかしまだスタジアム自体の作業は始まっておらず、今月末から開始される予定となっている。
『Reuters』によれば、このプロジェクトを請け負っているクロッカス・グループ(ソチ五輪の会場に携わったことで知られる)は、3億736万ドル(およそ382億円)の費用がかかることを明かしているという。
カリーニングラード州副知事のアレクサンダル・ロルビノフ氏は、『Reuters』の取材に対して「スタジアムの進歩状況に問題はない」と話し、2018年ワールドカップに間に合わせることは十分可能だと主張した。
アレクサンダル・ロルビノフ
(カリーニングラード州副知事)
「(この荒涼とした土地を見れば、カタールのように思えるが)
そうだね。それは正しい。ここはロシアというよりカタールのようだ。普通の場所ではない。川の中央にある島の上に築き上げているので、大地を固定するために砂を持ち込まなければならなかった。大地はとても不安定だったからね」
「砂は昨年10月に全てが届けられた。そして、地面が重量に耐えられるよう、スタジアム自体が再設計された。1万席を削減し、可動式の屋根を取り払い、3万5000人規模の競技場となった」
「スタジアムはより小さくなり、屋根もなくなった。建設には時間が掛からなくなるだろう。我々はこの計画が2017年内に予定通り終了すると言うことに疑いは持っていない。完全に確信を持っている」
「(場所については?)
これは問題の中心にあったことだ。我々は都市の中心に新しいスタジアムを欲していた。郊外ではなくてね。そして、ここが唯一使える場所だった。
しかし、我々は問題を解決した。そして、夢はすぐに現実となるだろう」
・参考 旧設計のバルティカ・アレーナ
В Калининграде болельщикам показали макет будущего стадиона "Арена Балтика" http://t.co/wsytyx6hPM pic.twitter.com/JTJr1gD912
— Стадион (@InfoSport_news) 2013, 11月 11
なお、アレーナ・バルティカはこの後9月にようやく建設がスタート。ロシアのW杯会場では最も遅い開始となった。大会まではあと2年半、なんとか間に合う?