オランダではJリーグのように複数人で守るという意識は極めて希薄だ。

190cm近い長身にして変幻自在の足技を繰り出す20歳エル・ガジとの1対1に、太田はほとんど成す術なく翻弄されてしまう。幸いアヤックスのフィニッシュが精度を欠き、追加点こそ許さなかったが、フランク・デ・ブール監督は明らかに太田のサイドを“弱点”として執拗に狙った。

エル・ガジに翻弄される太田

アヤックスの勢いは後半、フィテッセが全体をコンパクトに修正したこともあり失速する。チームが攻勢を強めるなかで太田も落ち着きを取り戻し、少しずつ得意とする攻撃面で目立ち始めていた。

だが終盤、良い流れのなかで改めて左サイドからのコーナーを担当した太田は、なんと、またしても軸足を滑らせキックに失敗してしまう。これが影響したかは分からないが、その後、後半は息を潜めていたエル・ガジのドリブルに再び翻弄されることになったのである。

後半のフィテッセはアヤックスを遥かに上回るポゼッション率を記録しながら決定力に欠き、僅差の0-1で敗れた。後半はむしろ押し込んでおり、全く悲観するような内容ではなかったが、先週、上々のデビューを飾った太田にとっては2戦目にして衝撃的といってもいい経験と屈辱を味わうこととなった。

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