そんなマティプだが、守備能力に関して編集部Sはかなり懐疑的でいる。
身体能力こそ高いマティプだが、インテリジェンスのある選手では決してない。
セットプレーの守備時ではボールウォッチャーになりがちであり、対峙する選手に簡単に裏を取られることも少なくない。一言で言ってしまえば「ものすごく軽く」、ここ数シーズンのシャルケではしばしば失点に繋がるプレーを見せているのだ。
こちらは昨シーズンのCLレアル・マドリー戦での失点。マティプはクリスティアーノ・ロナウドについていたのだが、見事なまでのボールウォッチャーでロナウドをフリーにし簡単に得点を許している(00:00から始まるシーンでは、コーナーキックのポジション取りからロナウドに敗れゴールされている)。
またマティプは守備的な選手でありながら、オーバーラップを好む。ボールカットからドリブルで攻め上がるシーンもよく見るが足元の技術は高くない。にもかかわず、危険な状況でもボールを繋ぎたがる癖を持っており、一か八かのパスを選択しがちである。
マティプは、どちらかというと「掴みどころのない」選手だ。時折信じられないような軽いプレーを見せたり、不必要なところでパスを繋げようとしたりする。
身体が柔軟で脚が長く無理が利くため、ヘヴェデスのような絶対的リーダーと最終ラインを組むと比較的安定するのだが…もともと備えている守備の能力はそれほど高くはない。あれだけ優秀な守備的データが出ているのが少し不思議なくらいだ。
もちろんマティプはまだ24歳と若く、これからもっと成長するだろう。身体能力は高いためこれだけの選手を0円で獲得できたのはリヴァプールにとって大きいが、リヴァプールの守備的な問題を一人で解決できるほどの守備能力を持った選手ではないと言えそうだ。