昨年、とある論説が話題を呼んだ。それは、「ゴールキーパーは癌になりやすい」というものだ。
実際に、ここ半年でもウガンダ代表GKアベル・ジャイラが28歳で、元ハンガリー代表GKマールトン・ヒュロプが32歳でこの世を去っている。
これは偶然なのだろうか?
その理由としてあがっているのが人工芝である。『BBC』が「芝生戦争」と名付けたように、人工芝には発がん性物質が含まれており、ゴールキーパーが知らず知らずに身体に取り込んでしまう危険性を指摘している。セービングした際に少なからず傷をおったり、口にしてしまう可能性があるからだ。
サッカーのゴールキーパーは特に癌になりやすい
大学で指導者として働く元アメリカ女子代表のエイミー・グリフィンは、癌になったアスリートのリストを集めた。その結果、最近癌になったサッカー選手38人中34人がゴールキーパーであったという。
最終的に200人のリストが集まり、158人がサッカー選手でありそのうち101人(95人という説も)がゴールキーパーであったという。
アメリカでは特に1990年代に廃棄処理の問題から、廃タイヤをリサイクルしクラムラバーと呼ばれるゴムに変え公園や学校などのフィールドに使われていった。人工芝にクラムラバーを入れることでボールのバウンドがより自然になるためだ。
クラムラバーは直訳すると「再生ゴム粉」の意味で、使用済みのゴムや古タイヤなどを粉砕したものである。
疾病管理予防センターで長く働いたデイヴィッド・ブラウンによるとクラムラバーには12の発がん物質(水銀、鉛、ベンゼン、ヒ素など)が含まれていることがわかったという。