先日行われたEURO2016決勝は、地元のフランスをポルトガルが延長戦の末に破り、初のヨーロッパ王者に輝いた。
その120分で唯一生まれたゴールを決めたのが、ポルトガル代表FWエデルだ。
Portugal 1 France 0: Swansea flop Eder stuns hosts to secure #Euro2016 glory https://t.co/RmogzyRlAC pic.twitter.com/F6BXht3haO
— The Sun Football (@TheSunFootball) 2016年7月10日
2014年ワールドカップにも出場していたストライカーであるが、決して世界のスーパースターという存在ではない。しかし、この大きな舞台で結果を残し、世界にその名を轟かせた。
エデルはイタリアだけではなく、ポルトガルにもいるのだと。
アマチュアからアカデミカへ
本名はエデルジート・アントニオ・マセド・ロペス。エデルという登録名だが、ポルトガルリーグでは同じ名前の選手がいたこともあって、エデルジートと表記されることも多かった。個人的には、この方が他と混同しにくいため便利である。
彼がポルトガルリーグで存在感を発揮し始めたのは、2008年に3部リーグのトウリゼンセからいきなりアカデミカ・コインブラに引き抜かれたころからだ。
ギニア=ビサウ出身の彼は幼少期にポルトガルへと渡り、リスボンでの生活に成功しなかったことからコインブラ地方の児童養護施設で育った経験を持つ。
彼が加入した2008年のアカデミカは、当初モドゥ・スグ(のちにマルセイユでもプレーしたことで有名)、この時点で34歳の大ベテランFWリト、パナマ代表FWホセ・ガルセスらが前線の駒として期待されていた。
さらに、後半戦ではカルロス・サレイロが獲得されたことによって前線の層が厚くなっており、エデルは24試合出場しているが、ほとんどが途中からである。
ちなみに監督は当時「若手ナンバーワン」といわれていたドミンゴス・パシエンシア氏。このシーズンはダイヤモンド型の4-4-2や4-3-3、4-1-4-1を使用したが、なかなかエデルに長い出番はやってこなかった。