前編に続き、後編では今季に向けたメスの状況について解説しよう。
今季のメンバーは?
メスは昇格、降格を結構経験しているクラブなのであるが、毎回なんとなく補強戦略が変わる。2部で戦った選手を大きく入れ替えてしまう年もあれば、現有戦力をアップデートするだけのときもある。
2014年の昇格の際はあまり大きな入れ替えを行わず、完全な主力選手でチームを離れたのはジャフラ・サコ(→ウェストハム)くらいだった。
その時に1年で降格したからか、今回はむしろ逆だ。DFはパロミノ、チアゴ・ゴメス、ヌーノ・レイス、ロマン・メタニールと半分以上の試合に出場してきた4名が抜けており、MFアンドレ・サントスもアロウカへ去った。
さらに、チームの完全な中心人物だったウインガー、イェニ・エングバコトがイングランドのQPRに移籍してしまった。
余談だが、彼はアルファベットにするとYeni Ngbakotoとなり、Yuto Nagatomoと字面が似ていて紛らわしい。
また、レンタルで所属していたカメルーン人FWベカメンガは後半戦だけで7ゴールを決めた得点源だったが、彼もトルコへ去った。セットプレー、チャンスメイク、さらに得点を依存してきたエングバコトとベカメンガがチームを離れたのはあまりにも痛いと言える。
しかし、当然その分補強は行っている。
スタッド・ランスからは数年前に怪我からの復帰を果たしたベテラン左SBフランク・シニョリーノ、ブレストからは左利きのCBシモン・ファレットがやってきた。生え抜きでボランチもこなせるルクセンブルク代表DFクリス・フィリップスも24歳。そろそろブレイクしてくれないと困る時期だ。
元バルセロナBのDFイバン・バリウも両サイドで使え、生え抜きの20歳マテュー・ウドルも昨季終盤に能力を証明した。かなり小粒とはいえ、最終ラインはこれでいくらかは回せるだろう。