FIFAの規約では、多重国籍選手は一度だけプレーするA代表チームを選択し直すことができる。
しかし国際親善試合に出場した選手の“鞍替え”が可能であるのに対し、ワールドカップ予選などの公式戦に出場した選手などはFIFAの判断によって可否が異なる。
コソボはこれまでFIFA主催の大会に出場できなかったことから選手の多くがアルバニア代表などでプレーした経験を持ち、このような事態となっているのだ。
例えば、パレルモやジェノアに在籍したGKサミル・ウイカニはアルバニア代表として20試合に出場しているが、2016年にコソボ代表への鞍替えを発表。今回のワールドカップ予選に向けたメンバーに選ばれているが、代表チームでプレーできるかどうかはFIFAの判断待ちであるという。
代表監督としては、招集した選手が出場できるか不明であるというのはかなり難しい条件だろう。しかし、これはある意味で仕方ないことであり、コソボという国にとってワールドカップ予選への出場はそれ以上に意味があるはずだ。
グラニト・ジャカやアドナン・ヤヌザイ、ジェルダン・シャキリなど、コソボにルーツを持つ選手にはテクニシャンが少なくない。ワールドカップへの出場はそう簡単ではないはずだが、ヨーロッパを驚かすだけの選手は揃っているはずだ。