アルゼンチン出身のイタリア代表FWパブロ・オズバルドが引退を発表した。「バンドに専念するため」という引退理由は人々を驚かせるには十分なものであったが、そこにはアルゼンチンサッカーとロック音楽の熱い関係がある。

CDを数千枚持つ音楽マニアでかつて小さな音楽会社でアルバイト経験も持つ私が今回は簡単にその背景を紹介しよう。

ローリング・ストーンズ万歳!!

アルゼンチンのロックと言うとチャーリー・ガルシア、ルイス・アルベルト・スピネッタ、フィト・パエスらの名前があがる。だが、日本での知名度は今ひとつであり、彼らを存じ上げない方も多いだろう。

スペイン語の音楽はいわゆる“巻き舌”ボーカルでありそこに独特のリズムとクセがある。そこが、良さでもあり、一方で日本人になじまないのではないかと推測する。

アルゼンチン国内でも人気が高いのは海外のアーティストであり、特にハードロック、へヴィ・メタル、プログレッシブ・ロックなどの分野ではそれが顕著だ。

例えば90年代のアルゼンチン代表選手と言えば、ガブリエル・バティストゥータ、クラウディオ・カニーヒャ、ヘルマン・ブルゴスらがいる。彼らが長髪だったのもアルゼンチン国内の流行、つまるところ、ロック音楽の影響であると言われている。実際にヘルマン・ブルゴスはロッカーとしての側面を持つことでも知られており、『The Garb』でリーダーを務める。

特に、ローリング・ストーンズの人気は高く今年も南米ツアーを実施。アルゼンチンのラ・プラタ・スタジアムなどでライブが行われた。強豪ラシン・クラブのサポーター『Racing Stones』は言わずもがなオマージュである。

今回引退を発表したパブロ・オズバルドも『Twitter』の背景画像はローリング・ストーンズであり、アカウント名は@danistone25である。(ちなみに『Instagram』は@danystone25である。)

パブロ・オズバルドのTwitterスクリーンショット

今回のカバー画像はデザイナーで自身のブランド『Philipp Plein』で知られるフィリップ・プレイン氏とのもの。この時もローリング・ストーンズのネックレスをしているのがわかるだろうか?

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