先日韓国サッカー界で大きなトピックスになった、全北現代モータースのスカウトによる審判買収問題。
2013年のKリーグにおいて、全北現代のあるスカウトが審判2名に5回に渡る金銭の提供を行っていたことが判明。その賄賂の総額は500万ウォン(およそ55.4万円)にのぼっている。
この行為については5月の段階で検察によって明らかにされていたが、韓国プロサッカー連盟は「正確な事実関係を把握する」として懲戒処分を先送りにしていた。
その時点では全北のチェ・ガンヒ監督、そしてイ・チョルグン団長はスキャンダルの責任を取って辞任の意向を明らかにしていた。
そして28日、当該のスカウトには懲役6ヶ月(執行猶予2年)の有罪判決が言い渡されることになり、韓国プロサッカー連盟は懲罰委員会を行い、処分を確定させた。
その結果、全北現代には今シーズンの勝ち点を9ポイント剥奪する処分とともに、罰金1億ウォン(およそ922.5万円)の支払いが言い渡された。
しかしである。今季Kリーグで32試合無敗を続けており、18勝14分けという結果になっている全北現代は、2位のFCソウルと大きな差をつけている。
勝ち点9がマイナスされても、まだFCソウルとは5ポイントの差で首位を堅持している状況にある。
そしてチェ・ガンヒ監督とイ・チョルグン団長の去就については、クラブ側は「彼らの契約については決定されたことがない」と発表。結局は誰も責任を取っていない状態とも言える。
Kリーグでは昨年12月、慶南FCの社長が審判を買収したことにより勝ち点10の剥奪、7000万ウォン(およそ645.8万円)の罰金を言い渡されている。
連盟は「慶南FCは社長が4名の審判に総額6400万ウォン(およそ590.4万円)を与えていたため、規模が違う」と説明しているが、全北現代は実質的に大きな処罰を受けたとは言い難い状態にあることも事実である。
韓国サッカー界の信頼を失墜させるようなスキャンダルの連発。「客観的に導かれた」処罰であることは見て取れるものの、『朝鮮日報』などによればファンからは「軽すぎる」との声が相次いでいるという。