10月2日、新たなスタジアムが誕生する。

吹田スタジアムに続く2016年二つ目のJリーグ規格球技場は、青森県八戸市に作られた。同市の北東部に完成したこのスタジアムは地区名から「八戸多賀多目的運動場」という名称で建設されたが、青森県内の自動車ディーラー会社、青森ダイハツモータースが命名権を購入して「ダイハツスタジアム」と呼ばれる事になった。

この多賀地区は2011年の東日本大震災で津波被害を受け、今後は住民の避難場所が必要となった地域。このスタジアムのメインスタンド中央部は管理棟を兼ねた4階建てのビルで、最上階は津波時の避難所や備蓄倉庫として、通常は地域の集会場として利用され、現在のスタジアムに欠かせない「防災機能」を充実させた設備になっている。

一方、スタジアム自体は座席のあるメインスタンドが1000人、芝生で整備されたバックスタンドやサイドスタンドを合わせると5200人収容とされ、照明灯は2基置かれている。これはJ3クラブのホームスタジアム規定を満たすもので、当初からそれを想定して作られた点では日本初の施設となる。


(c)ヴァンラーレ八戸

このダイハツスタジアムを本拠地とするのが、JFLのヴァンラーレ八戸だ。

八戸を中心とした青森県東部がホームタウンの同クラブは、2006年に発足。2013年に東北リーグ1部、2014年にはJFLに昇格したが、地域内の既存スタジアムを本拠地としたJ3参入・ライセンス申請は施設不備を理由に却下され続けた。

2015年にはこの新スタジアムを見込んでみたび申請したが、開場がリーグ開幕の春に間に合わないという理由で受理されなかった。同年のヴァンラーレはJFLの1stステージで優勝し、年間順位も2位となってJ3参入条件の4位以内をクリアしていたため、「スタジアムが間に合っていれば」という結果になった。

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