ピッチサイズは変わる

さて、レンジャーズの逸話で感じた人がいるだろう。ピッチのサイズは変わるのだ。私が個別に調べたところによると、例えばハル・シティのKCOMスタジアムは2007-08シーズンのデータでは縦109ヤード(およそ99.6m)、横74ヤード(およそ67.6m)と小さかったが、その後は、縦114ヤード(およそ104.2m)、横78ヤード(およそ71.3m)とプレミアリーグでも最大クラスのピッチサイズを誇った。今はUEFA標準サイズの「105×68」に落ちついている。

ピッチサイズでたびたび紙面を賑わせてきたのがストーク・シティだ。かつて筋骨隆々のロングボールサッカーとして注目を浴びたが、当時のピッチサイズは規定の最小を記録していた。ピッチサイズが小さいことで、ロリー・デラップのロングスローといった独特な戦術も有利に働いていた面があったのだ。

しかし、成績があがったことで2011年にヨーロッパの舞台に出場した時にUEFAの規定を満たさないためピッチサイズは拡大された。それでも2014-15シーズンには、縦100m、横66mとピッチサイズが小さいためマーク・ヒューズ監督はピッチの拡大と戦術の変更を示唆、現在はUEFA標準サイズに落ちついている。

プレミアリーグでは、「地面の建設の性質上、規則K21に従うことが不可能な場合には例外が認められる」とされておりそれが“戦術”として有効に使われている。私の調べではアストン・ヴィラなどもちょくちょくピッチサイズに変化があった。

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