ジエゴ・コスタ

(アンリ:我々が初めて会ったのはいつだっけ?)

「バジャドリーかな?どうだろう」

(アンリ:そう、バジャドリーだ。私がバルセロナでベンチに入った初めての試合だ。『あいつは誰よりも戦うな』と思っていたよ。だから、素晴らしいキャリアを歩めると感じたよ)

「ああ、あの時のバルセロナ戦はとても複雑だったね。大半の時間で我々は走り回らされていた。ボールも触れずにね。

バルセロナは全てに勝っていた。僕はなんとか貢献しようとした。しかし、とにかく、あまり良いものではなかったね。2試合目には4−0で負けたし、降格した。

その時は泣いたけど、後にはバルセロナと引き分けたし、アトレティコ・マドリーで優勝もした。物事は変わっていったよ」

(アンリ:そうだね。変わったよ。でも君は今ロンドンにいる。ここではどうだい?)

「ブラジルじゃない。スペインでもない。ご存知のように、僕はブラジルから若い頃に出てきて、長い間スペインにいた。あそこに慣れているんだ。

ロンドンは素晴らしい街だ。食事は美味しいし、住みやすい。でもこのひどい天気がとっても落ち込ませてくれるよ。

ただ、チェルシーには満足している。このクラブはアトレティコとは違った組織だ。物事はうまく働いているよ。人々は必要なサポートを全てしてくれる。

どこであっても100%満足とは行かないものだよ。ただ、うまく生きている。天気にはまったく馴染めないけど、致命的なものじゃない」

(アンリ:ピッチでの激しい行動については?僕は君を理解しているが)

「あなたと同じだよ。誰もが勝つためにピッチへ行く。公式戦だけじゃなくてね。

もし友人と楽しくプレーしていたって、勝ちたい。そして、相手がもし父親や母親でもね。それでも勝ちたい。

時には誰も戦ってこないこともあるが、それでは試合とは感じないよ。誰かと血で血を洗うようなやりあいをして、ピッチに全てを捧げなければならないんだ。

ただ、時に人々は誤解する。悪い人間であるとね。しかし、そんなことはない。これは競争するため、勝つための手段だ。

それは必要じゃない選手もいるだろうが、僕はやる。誰もがそれぞれの手段を持っている。しかし、競争に臨む人間は常に何かで勝利しようとするのだ。

誰かを傷つけるためにピッチに出るというわけでないならば、タフな戦いがあるのは当然であると思う」

【次ページ】「ゴール以外のほうが重要だ」