UEFAヨーロッパリーグ決勝で、アヤックスを下して優勝を遂げたマンチェスター・ユナイテッド。

MFヘンリフ・ムヒタリャンが決めた2点目が話題になっている。コーナーキックの場面で、DFクリス・スモーリングが落したボールをアクロバティックな体勢から押し込んだゴールだった。

後半開始直後に決まった重要な一点だったのだが、これにはある裏話があった。

実は当初、ムヒタリャンはボックス外へ出て行っていた。だが、MFアンデル・エレーラに呼び止められて、ゴール前にいるように説得されていたのだ。

ヘンリフ・ムヒタリャン(マンチェスター・ユナイテッドMF)

「正直に言うと、自分はあそこにいるべきではなかった。ボックス(の端)付近にいるべきだったんだ。

でも、自分はイエローカードをすでに1枚貰っていた。

なのでアンデル・エレーラから、コーナーに関与するならGKの前にいたほうがいいって言われたんだ。

ボールが来るのが見えて、足を上げた。そして、あのアメージングなゴールを決めたんだよ」

エレーラはチーム内の取り決めを破ってまでポジショニングの指示を出していたようだ。

これはおそらく相手のカウンターへの対処を考慮したものだったはず。この時点でエレーラはカードを貰っておらず、コーナーからカウンターを食らった際には自分が“つぶす”というところまで考えての指示だったのだろう。実際、ムヒタリャンと入れ替わるようにボックス外のポジションに付いていた。

サッカーIQの高さを見せつけ、この試合の『Man of the Match』にも選ばれたエレーラ。試合後にはこう述べていた。

アンデル・エレーラ(マンチェスター・ユナイテッドMF)

「このトロフィーを(マンチェスターで発生したテロ事件の)犠牲者に捧げたい。

2日前の出来事はおそろしいものだった。昨日の朝、僕らは打ちのめされた。

練習するのも難しかったけれど、監督はこう言ったんだ。自分たちにできる唯一のことは、彼らのために勝つことだってね。

そして、僕らはそれをやったんだ」

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