ポルトガルでは、2010-11シーズンの第3節、ナシオナウ・マデイラとの試合で初めて起用され、トップ下に配置された。
そして驚くことに、その試合でペナルティキックを含めていきなりハットトリック!しかも終盤に立て続けのゴール、3点目はスーパーとしか言えないシュートとあって、まさに伝説的なデビューを果たすのである。
これで信頼を勝ち取った彼はチームの中心的な選手となり、トップ下だけでなく時にワントップでも起用されるようになった。結局その後リーグでは29節まで得点から見放されたのだが、ゴール以外にも様々な点で貢献し、欠かせない戦力となっていた。
そして2年目も7ゴールと活躍を見せたものの、3年目の前半戦はやや低調なパフォーマンスに終わり、半年で帰国することになっている。その後はしばらく2部、3部以下のクラブを転々とする状況となるが、2015年に復活。済州ユナイテッドに移籍した後の活躍はご存知のとおりである。
彼のスタイルとは?
済州では主にストライカーとして起用されていたが、彼はどちらかといえば前線ならどこでもこなせるオールラウンダーである。
フィジカルの強さと空中戦の強さがありながら視野の広さとアイデアを持ち、気の利いたパスも出すことが出来る。自分で裏に飛び出すことは得意ではないが、ポジション取りと高いドリブル、パス、シュートの技術を生かして事態を打開できる1.3列目くらいのタイプだ。
日本では最前線でプレーすることになるかもしれないが、その際は周りがしっかり裏に飛び出してやることが重要になるだろう。そうすればマルセロ・トスカーノの強みは十分に活かすことが出来るはずであり、タイプが違うのでムルジャとの共存も可能なはずだ。
大宮アルディージャの復活には攻撃陣の爆発は欠かせない。そのための「導火線」としてマルセロ・トスカーノが機能できるかどうか?それが残留の鍵になるだろう。