――少し話が戻りますが、南野選手と言えば得点機での冷静さが印象的です。たとえばGKとの1対1など、チャンスが来たときはどういったことを考えていますか?
そうですね…。点を取るときは、集中しすぎていて、「気づいたら決まっていた」という感覚に近いかもしれません。サッカーの場合「狙ってこうしよう」というシチュエーションはあまりないので、試合中は常に様々なゴールパターンを意識しています。
点を取る選手は絶対に多くの“引き出し”を持っていないといけないと思いますし、自分も普段の練習からビデオを見ることなどを含め、形を持つことを意識して取り組んでいます。その辺りが昨シーズン、出場時間が少ないなかでの得点に繋がったのかなと思います。
――個人練習は結構できるんですか?
向こうの監督やコーチはオーガナイズをしたがるのでやっぱり嫌がられますね。すぐに「帰れ」と言われるんですが、そこは聞こえないフリをしてやります。最後は本当に目の前まで来て言われ、仕方なくやめるという感じです(笑)。よって、時間も限られるのでチーム練習が終わった後すぐにボールを集め、たとえば左右5本ずつの計10本を集中してやります。
――監督のオスカル・ガルシアは現役時代、バルセロナでも活躍したMFでした。彼から言われて印象に残っている言葉があれば教えてください。
ガルシア監督は選手と距離を取るので、監督から話しかけられることは実はほとんどないです。
あ、ただ、突然「ニシザワを知っているか?」と言われたことはあります。エスパニョール時代に西澤明訓さんと一緒にプレーしていたらしくて。僕はセレッソ大阪出身なので当時の西澤選手や森島寛晃選手はクラブのレジェンドとして強く印象に残っていますし、「なぜ知ってるの?」と逆に聞き返しました(笑)。
【編集部注】インタビュー後、ガルシア監督は退任し、U-18を率いていたマルコ・ロゼ監督が昇格している。
――UEFAチャンピオンズリーグ予選を突破した場合、本選で対戦してみたいチームはどこですか?
バルセロナやレアル・マドリーはやってみたいです。トップのチームを相手に真剣勝負をしてみたい。
――国内はザルツブルクの1強という状況です。モチベーションに影響はないですか?
優勝が当たり前のチームでプレーできていることは、選手として良い経験だと考えています。そういったチームでプレーできる選手は限られますし、Jリーグでもそういう環境のチームはありません。チャレンジャーの気持ちではなく、引き分けでもブーイングを浴びる厳しい環境を個人的にはプラスとして考えています。