――能登選手はジュニアユース時代を含めて、Jクラブでプレーしていますが、その時の感覚はどうでしたか?
闘争心的なものはなかったですね。結局、日本でサッカーをやっていても「死ぬ」ことはないから。
逆に海外は違う。
一人で海外に行ったら、サッカーをやっていても「死ぬ」ことがあるんです。常にプレッシャーの中で生きています。
「この試合で勝たないと給与が入らない、入らないと飯が食えない」という状況になれれば、「そりゃ誰でも頑張りますよ」っていう話です。
さらに、海外は「常に上を目指すためのピラミッドがしっかりしている」という点も大きいです。
だから、10歳の子供でも高いプロ意識があったりするんです。
――その年齢でプロ意識があることはすごいですね。
ですよね?でも、残念なことに日本の子供たちにはそれが少し欠けている印象です。
だから、僕がクリニックでサッカー教える時もいつもこう言います。
「サッカー選手になりたいの?」
「サッカー選手がどういうことをやっているを知っている?」
「それをその年齢で知れたらどう思う?サッカー選手になれる気がしない?」
そうすると、子供たちも僕の言うことに聞く耳を持ってくれるようになるんです!
――「まずは子供たちの意識を変えるところから」ということですね。
ですね。
そこはすごい重要だと思っています。後は怪我の防止も同じぐらい大事です。
「サッカー選手になるにはトレーニングだけじゃなく、ケアも大事だよ」と教えています。
怪我で泣かされるサッカー人生を送って欲しくないので…。
――子供たちの試合間隔って、ある意味、プロ以上に過酷だったりしますからね。
そうなんですよ。
一日三試合とかあったりするんでしょ?あれは無茶苦茶だと思います。
それではサッカーやってるようでサッカーじゃないです。
――そこも含めて海外とは指導方法が違います?
違いますね。
海外ではプロになるための重要なことや厳しさも子供に教えています。
みんなきっかけは「楽しい」というところから始まるけど、プロになると決めたら「それだけじゃないよ」って。