ボスマンス氏は、この日試合観戦に訪れていた男性だ。
しかし審判経験があり、先週末には6部に相当する州リーグのダービーマッチでレフェリーを務めたばかりであった。
こうした緊急事態に直面したボスマンス氏は「尽力を尽くすことが私の義務だと思った」そう。この時ボスマンス氏は飲酒をしていなかったため、「やれる」と感じたとのことだ。
結局試合は一人の観客を副審に迎えるという前代未聞の形で続行となり、そのまま延長後半へ。
ボスマンス氏は自身のジャッジについて「一つも間違いはなかった。判断するシーンは多くなかったからね」とコメント。
試合はPK戦の末ヘンクが勝ち抜けを決めたのだが、「試合の中で最も難しかったのは試合後にヒートアップした両選手を仲裁することだった」と話している。
1部リーグレベルにおいて、120分の中で二人の審判が負傷するのも珍しいが、観客が代役を務め試合が続行されたというのは前代未聞レベルである。
観客席の中に審判経験を持った男性がいたのは不幸中の幸いだが、もし誰も手を挙げなかったらどうなっていたのか気になるところ…。
ちなみに、こちらは試合後に取材を受けるボスマンス氏。
毅然とした態度でインタビューに応じており、その勇気ある決断に心から拍手を送りたい。