例外パネル パートB
1・選手の移籍金は、『Qualifying Transfers』(※1)の50位までの20%に入っている:1ポイント
2・フリーエージェントの場合、仮想的移籍金価値(※4)が『Qualifying Transfers』(※1)の50位までの20%に入っている:1ポイント
3・選手の給与額は、『Qualifying Wages』(※2)の50位までの20%に入っている:1ポイント
4・選手が現在所属しているクラブは2部リーグに所属しており、試合時間全体の30%以上の出場時間を得た:1ポイント
5・選手が現在所属しているクラブは、過去12ヶ月以内に大陸のクラブ選手権(※3)の予選ラウンドに出場しており、試合時間全体の30%以上でプレーした:1ポイント
6・「選手は対象期間の代表チームにおいて『二次パーセンテージ』(※4)の出場基準を満たした」or「あるいは過去12ヶ月にアジアカップかアフリカネイションズカップでベスト4以上になった」or「代表チームがFIFAランキングで60位以下の場合、対象期間の75%の試合に出場している」:1ポイント
(※4 委員会が独自に算出)
(※5 FIFAランキング1~10位なら25%、11~20位なら30%、21~25位なら45%、26~30位なら55%、31~50位なら60%以上)
パートAとパートBで併せて5ポイントを獲得した場合、委員会は労働許可証を発行するよう勧告を行うことができるが、その義務はない。
4ポイント以下であった場合、原則的に労働許可証は発行されないが、「英国サッカーの発展に貢献する」と判断されれば例外的に発行される場合がある。
井手口陽介の場合、おそらく項目1は満たせず、項目2と5は該当しない。4はパネルAと重複項目なので除外される。
問題となるのは3と6となるが、3も重複項目であるため、パネルAで満たしていればポイントは入らない。パネルBでこれを満たすということは、併せて3ポイントしかないということだ。
要するに、井手口陽介が労働許可証の条件を満たすためには、今後の半年でパネルAの項目3~4の2~3ポイントを取り、パネルA項目5や6でポイントを取る必要がある。
今冬のマーケットでリーズに移籍した場合、日本代表がFIFAランキング50位以内に入った上でワールドカップの3試合全てに出場し、22歳になる8月までに許可証を得る必要がある…と考えられる。
あるいは、レンタル先でのプレーで「クラブ屈指の高い給与を払える」と認められるか。パネルA項目3で3ポイントを取れれば、パネルA項目5と合わせて4ポイントを満たすはずだ。
労働許可証の種類について
また、発行される労働許可証にも幾つかの種類がある。
英国サッカー協会が発行できる労働許可証はTier2とTier5の2種類がある。違いは有効期間の長さである。
Tier2:3年、あるいは契約期間と同じ。長い方に合わせる
Tier5:1年、あるいは契約期間と同じ。短い方に合わせる
判定は内務省が設定した英語能力の要件で行われる。通常はTier2が与えられるが、英語能力を満たせなかった場合Tier5が発行となる。
なお、これらの審査パネルによって労働許可証が発行されなかった場合、再度の申請までは4ヶ月の間を空けなければいけない。