外部から血を取り入れる
一方でソシエダは外部から選手を流入することも厭わない。ビルバオがバスク人の純血を大事にしているのに対してソシエダは必要な選手とあれば迷わず補強してくるのだ。
特に最近は評価の少し落ちたプレイヤーを連れてくることが多い。上述のバウティスタが「こんなに技術のある選手を見たことがない」と語ったアドナン・ヤヌザイもその一人だ。
ヤヌザイは10代でマンチェスター・ユナイテッド・デビュー時から注目を浴びたが、一方で独りよがりなドリブルの姿勢が批判の対象にもなった。時にはセンターハーフでも試されるなどしたが、ドルトムントではリーグ戦6試合、サンダーランドではリーグ戦25試合でゴールは0と結果を残せなかった。今季はすでに12試合2ゴール、スーパーサブ的な役割で輝きを取り戻しつつある。
同じくサウサンプトンでは失敗したが、ソシエダで2016-17シーズンに再び二けた得点をあげたフアンミ、チームのエースストライカーであるウィリアン・ジョゼらは外部からの人材である。そうしたメンバーがオヤルサバルらと融合し、得点量産ができる攻撃陣を形成している。
これらのメンバーの屋台骨となっているのもまた、下部組織あがりのベテラン達だ。12月20日のセビージャ戦のMFはイジャラメンディ、シャビ・プリエト、スルトゥサの3名でいずれもソシエダの下部組織で育った。
このように良い新陳代謝でチーム作りが進んでいるラ・レアル、再びリーガ・エスパニョーラの優勝争いに絡む日も遠くないだろう。
ちなみに女子チームではなでしこジャパンでもプレー経験のある後藤三知がプレーしている。