アディショナルタイムは、長いようで短い。そして短いようで長い…。

ムハンマド・サラーとハリー・ケインが見せたように、いつの世もアディショナルタイムにドラマが生まれてきた。

サッカー界で最も忘れられないアディショナルタイムの11場面とは?『FourFourTwo』のセレクションをご紹介する。

バルセロナ対PSG(2016-17)

ヨーロッパのサッカー史上最も驚異的な逆転を達成した2016-17シーズンのバルセロナ。

1stレグでPSGに4-0と大敗してしまった彼らは、2ndレグで3-0までリードすることに成功。ところが、後半にエディンソン・カバーニにゴールを許す。

最低でもあと3点が必要…その状況で、88分にネイマールがフリーキックでゴール。

そして90分を超えたあと、裏に抜けたスアレスが倒されてPK。ネイマールが決めてあと1点と迫ると、さらに直後にセルジ・ロベルトが追加点!

これでスコアは6-1となり、カンプ・ノウは熱狂の渦に飲み込まれた。

バルバドス諸島対グレナダ(1994年カリビアンカップ予選)

1994年のカリビアンカップ出場権を争ったこの試合には、特殊なルールがあった。延長戦でのゴールデンゴールが、「2得点」に扱われるというものだ。

バルバドスは2点差が必要で、グレナダは勝利が最低条件。その中で迎えたこの試合は2-1で終盤を迎えた。

このまま1点差の勝利で終われば、バルバドスは敗退してしまう。そんな時、彼らが取ったのは「オウンゴールで延長戦に持ち込む」という手段だった。

2-2となった試合は延長戦に持ち込まれ、狙い通りバルバドスがゴールデンゴールを奪取。これで4-2となり、カリビアンカップ出場を決めた。

そして、「世界一奇妙なルール」は2度と採用されることはなかった。

レスター・シティ対アーセナル(1997-98)

1997年8月に行われた試合は、デニス・ベルカンプの素晴らしい2ゴールでアーセナルが2-0とリード。

しかし、その後レスター・シティが3点を奪い返し、逆にアーセナルは1点を追う立場になった。

そしてアディショナルタイム、生まれたのは歴史に残るゴールだった。

後方からのロングボールを受けたベルカンプは、なんとリフティングでディフェンダーを外してシュート!歴史的なハットトリックとなった。

タイ代表対インドネシア代表(1998年タイガーカップ)

1998年の東南アジアサッカー選手権、通称タイガーカップ。グループステージ最終節で、国際サッカーの歴史上最も奇妙なゴールが生まれた。

この両チームはすでに決勝トーナメント進出を決めていたが、1位と2位がこの結果で左右される。

試合は2-2のままアディショナルタイムに突入。しかし、前日の試合でホスト国のベトナムが2位になっていた。どっちも正直1位になりたくない…。

そこでインドネシアは、タイの妨害を受けながらも自陣のゴールにシュート!これによってスコアは3-2となり、インドネシアは狙い通り2位となった。

ただ、結局決勝トーナメントに進んだタイ、インドネシアともに準決勝で敗北。オウンゴールをしたムルシードは国際試合から永久追放になってしまった。