育成型FC東京
一方、FC東京といえば2017年に高円宮杯U-18サッカーリーグチャンピオンシップと日本クラブユースサッカー選手権で優勝した、Jユースの名門だ。バルセロナ帰りの久保建英は16歳ながらすでにJ1でプレー。先日の日本代表戦で活躍した中島翔哉も2017年までFC東京に在籍していた。
今をときめくフットボーラーたちが育っていく土壌は何なのか。育成年代のコーチなどを経て今年からFC東京の強化部に所属する山口広野さんに話してもらった。
FC東京では、2011年の時に「2015年にJ1のスタメン5名をユース出身者にする」という目標を掲げた。この目標は一部の試合ですでに実現できており、今後は2020年を目標にJ1のリーグタイトルを取りたいという。スカウティングの現場ではすでにU-12、つまり小学生年代の有望選手たちをいかに獲得するかが重要になっているという。FC東京の下部組織出身者では、武藤嘉紀、丸山祐市らが小学生年代から、権田修一らがU-15チームからと日本代表経験者が早くからチームに在籍していた。
ただ、トップチームにおいて重要になるのはやはりここでもメンタルのようだ。FC東京U-18からは長澤皓祐(新4年)、生地慶充(新2年)らが近年筑波大学蹴球部へ加入しているが、なぜ彼らは大学へ進み、そこで何を期待されているのか。アカデミーを離れた後もチームへ戻すことを重視しているFC東京の考え方などが山口さんから語られたほか、FC東京視点と筑波大蹴球部視点による“クロストーク”も非常に興味深かった。ちなみに、今年度も昨年FC東京U-18で10番をつけていた小林幹が筑波大学へ進学している。
また、同じ東京ということで中島翔哉は東京ヴェルディのジュニア時代からよく知っており、当時から今とまったく変わらないプレースタイル、普段からボールを肌身離さず持つサッカー小僧な姿が印象的だったという。
ほかにもここには書けない現場の裏話がずらり。Jユースと高体連それぞれの出身選手の比較や、昨今目立つJユースから高校への転籍について、さらにはチームのスポンサーとの付き合い方まで多岐にわたる話に及んだ。もちろん事前に告知していた久保建英(FC東京)やU-21日本代表の三苫薫(筑波大)についてもいろいろ聞いたぞ。
第1回目ということもあり、編集長奥崎の声もいささか緊張をしていたが、用意していた席は最終的に当日のキャンセルを除きすべて埋まった。イベント後も恵比寿のサッカーバーを舞台に来場者と登壇者含めた交流会が開かれ、熱いサッカー談義が遅くまで続いた。
年度末の忙しい時期にQoly初開催のイベントに来てくださった方々にはお礼を申し上げたい。次開催の時期は未定だが、より魅力的な内容になるようにアイデアなどを練っていきたいと思う。今回残念ながら参加できなかったという方も含め、ぜひお楽しみに!
※「QolyサッカーミーティングVol.1」にご協力いただきました、筑波大学蹴球部様、FC東京様には改めて御礼申し上げます。