11日、日本代表チームの監督を務めていたヴァイッド・ハリルホジッチ氏が解任された。

筆者は彼が率いていたころからPSGのファンであるし、「ハリルホジッチ思考―成功をもたらす指揮官の流儀」も執筆させて頂いた。

とりあえずはそういうところからいろいろと察して欲しいが、その立場から「日本代表がハリルホジッチ監督をこのタイミングで解雇したことによるメリット」を5つ考えてみよう。

主力組に危機感が生まれる

今回のハリルホジッチ解任劇の原因は、選手とのコミュニケーションであったと発表されている。田嶋幸三会長と西野朗新監督の認識とは齟齬があるようだが、それはともかくだ。

通常「クラブより大きな選手はいない」と言われる通り、管理側に合わせられない選手は排除されて当然である。

他のクラブに行く権利はあるし、代表から外されても当面生活面に影響があるわけでもない。市場価値や引退後の仕事には関わるかもしれないが…。

今回のことで証明されたのは、日本代表では「選手が結託してコミュニケーション不足を表に出せば、監督のほうが追い出される」ということ。

逆に言えば、主力として使われており現状に不満を持っていない選手は、どうにか反乱を抑えるか、結果で世間を黙らせるしかない。そうしなければ、監督とともに自分の立場も崩される。

ピッチ内だけではなく、ピッチ外でも競争が激しくなるだろう。危機感が高まる。それが田島会長の言う「信頼関係」に好影響があるのかといわれるとアレだが。