より「個の力」が必要になる
日本の課題と言われるのが「個の力」。それはハリルホジッチ体制のチームだけではなく、他の年代別代表でも、女子でも。以前から誰もが分かっていることだ。
組織というのは個人の集合体であるからして、それぞれの能力がその機能性、応用力を維持できるだけのものでなければならない。もちろん、「個人戦術」も個の力だ。
以前『U-17の2試合で見えた「ハリルホジッチが日本の監督に向いている」ワケ』でも書いたが、筆者は「個の力が望めないからこそ縦に速いサッカーをやっている」と考えていた。
パスをつないで主導権を握っていくサッカーは、それだけデュエルもキックも成功を続けることを必要とするわけで、個人の弱みが出やすい。
特に練習期間が短い代表チームではそうだ。筆者はトゥーロン国際大会のファンなのだが、急ごしらえの「日本サッカー」がどれだけ脆弱かということを嫌というほど見せつけられてきた。
そもそも、もしパスサッカーのほうが個の力を必要としないのなら、強豪クラブほどカウンター、弱小クラブほどポゼッションになっているはずなのだから…。
今後田嶋幸三会長が言う「しっかりボールを繋いでいくということです」が志向されていくのならば、日本の強化には戦術以上に個の力が欠かせなくなる。
その意識があれば、長期的に見れば日本サッカーの根本的な強化に繋がるはずだ。協会がそれを認識していれば、だが。