「ポゼッション」(保持)から「プログレッション」(前進)へ

試合は序盤からホームの伊賀が前線からの激しいプレッシングで相手のペースを奪い、相手陣内に押し込むハーフコートゲームとなる。

ただし、昨季までのようにショートパスを繋いで押し込んでいくような形ではなく、今季の伊賀は「攻撃時には縦へのスピードを強く意識し、足下へのパスではなく、ゴールへ向かうスペースにパスを出す、アクションを起こす」(大嶽監督談)ことに、トライしている。

そして、守備についても前からボールを奪いに行く意識を徹底し、相手陣内での連動したプレスで即時奪回することを目指している。攻守両面でインテンシティー(プレー強度)が非常に高く、攻守のつなぎ目すら感じさせないシームレスなサッカーだ。

プレー強度が高いためにミスも生まれるが、「チャレンジした失敗は怖くない」と言う大嶽監督。

昨季までのポゼッションサッカーは「ミスを許さないサッカー」がイメージされるが、今季は「ミスはしても取り返すサッカー」をしている印象だ。

そのスタイルは昨季までの「ポゼッション(保持)」ではなく、「プログレッション(前進)」サッカーと表現できそうだ。