さらにプレッシングで、「完全支配」
一方先制された埼玉は、後半開始から古巣対決となるFW鈴木薫子を投入。それでも流れは変わらず、試合再開から伊賀が押し込む展開が続く。
大嶽監督が「前後半最初の15分間は特にラッシュをかける」と言うように、後半開始早々から相手陣内での激しいプレッシングの連続で主導権を奪い、ボール奪取した勢いをそのまま攻撃のパワーに替えていく。
FWの小川志保や竹島、アンカーのMF乃一が次々と惜しいシュートを浴びせ、前半以上に相手を土俵際にまで追い詰めていった。
そして57分、ペナルティエリア付近でのパスワークから“3人目の動き”でエリア内に侵入したFW小川が倒されてPKを獲得。自ら奪ったPKを、小川がほぼど真ん中に豪快に蹴り込み、伊賀が貴重な追加点を奪う。
65分には、伊賀が左サイドから完全に押し込んだ状況からバックパスを使い、相手をつり出す。そしてセンターバックの畑中美友香がペナルティエリア内左側のスペースへパスを呼び込んだ杉田へ浮き球の絶妙なダイレクトパスを供給。
杉田はワンバウンドしたボールを左足で確実にミートさせつつ、巧みな足首の感覚でゴールキーパーの頭上で落ちるドライブ回転の華麗なハーフボレーを披露。相手GKの意表も突いたゴラッソが決まり、3-0。勝負を決めた。
その後、選手交代をしながらも続けて好機を量産した伊賀。プレッシングサッカーで試合の主導権を握ると、自然と昨季までのポゼッションサッカーを部分的に披露できるようにもなってきている。
結局、相手のシュートを僅か1本に抑えての完封勝利。22本のシュートを浴びせた攻撃力と共に、9試合で2失点という守備の安定も示し、前半戦最後の試合を勝利で飾った。
また、今節で2位・愛媛FCレディースが引き分けたため、その2位・愛媛との勝点差は4へと開き、伊賀は前半戦を首位で折り返すことになった。(上記順位表を参照)
なお、6月第2週からは『プレナスなでしこリーグカップ2部』が再開され、リーグの後半戦は9月第1週から再開される。