全くハマらなかった前線守備

まず、前提として、上述のように現在の日本代表は守備が機能不全に陥っている。

球際の激しさ、マークの受け渡し、ドリブラーやロングボールに対しての対応諸々…初歩的なレベルでいくつも課題が見られるためだ。

ガーナ戦ではチーム全体が後ろに重心が偏り、高い位置でボールを奪えなかった問題点がはっきりと見え、実際そこから失点シーンへと繋がった。

ガーナの先制点はFKによるものであったが、そのきっかけとなったのが左サイドバックから最前線へ送り込まれたパスであった。

そして、この時、大きな問題が発生していた。「ボールホルダーに対して全くプレッシャーがかかっていない状態」だったのでる。

このシチュエーションにおけるポジションを考えると、本田圭佑がボールを奪いに「圧」を掛けるべきであったが、その判断が遅れ、動き出しも鈍重。最終的にガーナの選手は「ノープレッシャー」でロングボールを蹴られる環境を獲得。

そして、ガーナに自由を与えてしまった日本は危険地帯であるエリアにボールを入れられ、その後のFK。そして失点へとリンクしたというわけだ。

無論、槙野や守備陣全体の対応にも問題があり、本田の責任が全てというわけではない。

だが、本大会で同じくファールを犯したら、よりFK能力に優れたひしめくグループリーグの対戦相手の餌食となることは間違いない。

また、ロベルト・レヴァンドフスキ級の選手であれば、ファールはもらわずともそのままゴールまで持っていけるだろう。