RB部門
ルイス・アドビンクラ(ペルー)
「ベストイレブン」という類は、決勝トーナメントに進出した国からピックアップされるのが世の常ではあるが、その常識を覆すプレーを見せてくれた男が発見された。アンドレ・カリージョとの縦関係によるペルー自慢の「ライトサイドアタック」を発動し、その破壊力でどのチームにも手を焼かせたアドビンクラだ。
今大会におけるサイドバックは、どちらかと言えば、「相手のサイドアタッカーを抑える」という守備面での活躍が目立つ選手が多い。しかし、アドビンクラはその真逆に位置し、「攻撃で相手のサイドアタッカーを封じる」という、サイドバックの理想とすべきプレーを見せた点も評価するべきだろう。
なお、次点は「6.5」の数値を残したミカエル・ルスティグ(スウェーデン)。プレー自体は地味であるが、まさに「いぶし銀」の働きを見せ、全3試合で難攻不落の守備陣を形成した点を評価した。
その後は、ヘンリク・ダルスゴーア(デンマーク)、クリスティアン・ガンボア(コスタリカ)、サンティアゴ・アリアス(コロンビア)、酒井宏樹 (日本)が続くが、「日本代表において最もベストイレブン入りに近づいた」のが酒井であった。
酒井はここまで柴崎岳と並びチームトップの「6.3」というハイスコアを叩き出しており、決勝トーナメント以降に日本の躍進があれば面白い存在になりそうだ。
LB部門
マルセロ(ブラジル)
その独創的なプレースタイルは、諸刃の剣ともいえるが、ここまでは全てが良いように回っている印象だ。
ネイマール、フィリペ・コウチーニョらとのコンビネーションで、ブラジルのメインウェポンである「左サイドを起点にした崩し」で重要な役割を担い、相手守備陣を自分のエリアに引き込んだ後に放つサイドチェンジも非常に効果的に行っている。
3試合目で腰の不調を訴えてピッチを退くなど、その後のコンディションが気になるところだが、彼が抜けるとブラジルの攻撃は変化を余儀なくされるだろう。
また、このポジションは「群雄割拠」とも言えるほど、各選手が軒並み高いスコアを残したことにも触れておきたい。
そのため、次点はアレクサンダル・コラロフ(セルビア)、ヘスス・ガジャルド(メキシコ)、フアン・モヒカ(コロンビア)、ルドヴィク・アウグスティンソン(スウェーデン)が並び、採点も「6.2」とマルセロとも大きな差は生まれなかった。