夏の大型補強がプラスに作用
今季の鳥栖は、開幕から2勝2分1敗と上々のスタートを切った。歯車が狂い始めたのは、6節のセレッソ大阪戦から。12節の北海道コンサドーレ札幌戦まで7連敗を喫し、降格圏をさまようこととなった。
痛手だったのは、FW陣に怪我が相次いだことだ。エースのビクトル・イバルボは満足にピッチに立てず、チョ・ドンゴン、池田圭も戦線離脱を余儀なくされた。特に前線で起点となれるイバルボ、チョ・ドンゴンの不在はダメージが大きく、キレのあるドリブルを見せていた小野の奮闘が救いとなっていた。
深刻な得点力不足(中断期間前の15試合で14ゴール)を解消すべく、フロントが動く。かつてのエース・豊田が韓国の蔚山現代より帰還すれば、7月10日にスペインのアトレティコ・マドリーから世界的名手のF・トーレスを獲得し、その2週間後には鹿島アントラーズから金崎が電撃加入。
更に、チョン・スンヒョンが鹿島へ去ったCBはレバノン代表のジョアン・オマリで穴埋めを図り、8月16日には徳島ヴォルティスからマルチロールの島屋八徳を迎え入れた。
前述の通り前半戦で苦しんだのは、前線で起点となれるFWの不在が要因だった。F・トーレスと金崎が加わったことでタメができ、「奪ったボールを2トップに預ける」という狙いも統一されるようになったのである。