「森保ジャパン」の門出はまさに前途洋々だ。
コスタリカ、パナマ、ウルグアイとの「中南米シリーズ」を三連勝で終え、特にW杯ベスト8メンバーが揃うウルグアイとの撃ち合いの末の勝利は世界中に驚きを与えた。
しかし、はたして全てが順風満帆と評して良いのだろうか。
「良い時ほど地に足を着ける必要がある」というのは通説であるが、ここではあえて日本代表のいくつかの事象を元に「(守備時において)自力で相手選手を処理する能力」をテーマとして問題提起したいと思う。
自力で処理する力とは
まず、今回の問題を取り上げるにあたり、「自力で相手選手を処理する能力」を具体化して説明する必要があるだろう。
筆者が考えるこの能力の要素は以下の3点だ。
①一対一でボールを奪い切るための力
②(必要に応じて)ファウルを選択する判断力
③空中戦における対応
いずれも一対一での対応が求められる場面において、相手よりも優位に立つために必要な能力である。
②に関してはやや毛色が違うが、サッカーという競技は性質上「全てのボールを奪い切る」ということは不可能である。そこで度々②を求められるシチュエーションに遭遇するわけだが、これも自力で処理するためには重要な要素だ。
日本では「プロフェッショナルファウル」と称され、どこか印象の悪いプレーとして扱われることも多いが、個人戦術の一つとして若年層から身につけるべき要素ではあるとも筆者は考えている。