■指揮官が重視する“個の力”

公式戦6試合連続でフル出場中の昌子だが、採用される布陣が複数あることも影響し、様々な位置で起用されている。

一番多いのが、3バックの右ストッパー(2試合)で、リベロと左ストッパーが1試合ずつ。4バックのCBは左右ともに1試合ずつ経験している。昌子からすれば、早く立ち位置が固定された方がやりやすいだろうが、今は指揮官が“最適解”を見出している最中だと言えるだろう。

そのカサノバ監督はシステムを固定せず、チーム状況と戦況に応じてやり繰りするタイプなのだが、明確な戦術を植え付けるというよりも、個の力を重視し、攻守において1対1で打開することを求めている。

よって攻撃陣はドリブルで仕掛けて即興的に攻める形が多く、守備陣は侵入してきたアタッカーとのマッチアップでいかに勝てるかが生命線となっている。

そうなると、選手の好不調がチーム全体のパフォーマンスに直結することになる。試合によって内容にムラがあり、なかなか波に乗れないのには、このような背景があるのだ。

しかし、シーズン途中の加入となった昌子にとって、個を重視する指揮官であったことはむしろ幸いだったと言えるかもしれない。