クロップvsグアルディオラ
――映像とともに紹介されていた“出し手”としてのファビーニョの話は興味深かったです。元々持っていた能力ではないか、と。
モナコで見始めた頃、彼とバカヨコが中盤で組んでいたのですが、あのようなテクニカルなパスはあまり印象に残っていません。リヴァプールへ来てからもそんな感じはなかったんですけどね。
でも、あれができるということは元々できたんじゃないかなと。急にできるようになるとは思いません。
――チームでの“立ち位置”が分かってきたから、出せるようになったと。
そうですね。真ん中で一人でバランスを取るのはやはり難しいですから。ファビーニョが入るまではヘンダーソンがここをやっていました。ただ、ヘンダーソンは絶対に右のほうが良いです。
今回の試合でシティは、アグエロとデ・ブライネを縦にしてロヴレンのほうに出させてから行くということをやるかもしれないですね。ファビーニョのように“出し手”になることができる選手が増えてくると、相手の守備も変わります。
――クロップ監督とグアルディオラ監督はドイツ時代から何度も対戦してきました。どちらにとっても「意識する相手」といった感じなのでしょうか?
リスペクトや意識はしているでしょうね。
僕は、グアルディオラ監督のほうが本当にスタンスを変えたと思いました。守備の意識をしっかり持って、カウンターを狙う。リヴァプールもボールを持たされると少しうまくいかない試合があるんです。
とはいえ、シティは3ラインはコンパクトにしますが、他のチームのように下がってスペースを消すことはさすがにしないと思います。格上vs格下だと、格下は普段やらないこともやりますよね。先週リヴァプールと対戦したアストン・ヴィラもそうでした。
大きなクラブ同士の試合は基本的に、お互いが自分たちをしっかり持ちながらプレーするのでそれはないんですよ。ただ、正面からぶつかったとき、自分たちが優位に立てるように何かするはずなのでそこのせめぎ合いになると思います。
自分たちの持っているもので、少しバランスを変えたりしながら勝利を目指す。そこは監督の領域になりますから、誰を選ぶか、どこに置くかというのは大事です。