例えばスタジアムももちろんですがテレビやインターネットで観戦をして盛り上がるファンというのは今までにもいたわけで、そちらにもっと注力することになるのかもしれません。

NFLのスーパーボウルを代表例とすると、スタジアムが満員なのは当然ですが、それを遥かに上回る数の人がテレビで観戦し、そこから派生して生まれるビジネスは巨大です。

スポーツビジネスの産業が変化を求められてきたのは今に始まったことではなく今までも様々な変化がありました。

今回のコロナは特にいきなり予想を超えるインパクトであったので、そのショック状態が大きいですが、その時々の社会の変遷に合わせて消費者の価値観も変わってきており、それにアジャストするのがスポーツマーケティングでした。

わかりやすい例は「安全性の担保」。アメフトの器具は最たる例ではないでしょうか。

現在は昔と違い、様々なテクノロジーが駆使されスポーツそのものの安全性が向上してきました。アメフトに限らず、一昔前のスポーツを見ますと今の常識では考えられない危険な器具もあります。それはスポーツを子供にさせる親の価値観の変遷も影響しています。

一方で、言い換えるとこれからも色々と変化をしていくのが当たり前ですので、変わるものを追いかけてばかりいくのは不可能ですし、これを機にスポーツビジネスにおける原理原則をきちんと理解することが肝要になっていくものと考えます。

変わるものと、変わらない不変な原理原則。このバランスを理解しつつ、今後もスポーツビジネス業界に参画していくことが大切だと思います。

≪続く≫

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中村武彦/青山学院大学卒業。マサチューセッツ州立大学アマースト校スポーツマネジメント修士課程、及びマドリーISDE法科大学院修了。現・東京大学工学部社会戦略工学共同研究員。NEC海外事業本部を経て、2005年に日本人として初めてMLS国際部入社。2009年にFCバルセロナ国際部ディレクターなどを歴任後、独立し2015年にBlue Unitedを創設。鹿島アントラーズ・グローバルストラテジーオフィサー、MLSコンサルタントなども務める。2012年にはFIFAマッチエージェントライセンスも取得し、2018年にパシフィックリムカップを創設。同年プロeスポーツチームの「Blue United eFC」も立ち上げ。2017年より青山学院大学地球社会共生学部の非常勤講師を務める。著書:「MLSから学ぶスポーツマネジメント(東洋館出版)」

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