現在アビスパ福岡に所属しているブラジル人FWブルーノ・メンデス。彼が今回『Globo』に対し、息子が大病を患っていたことを明かしたという。

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記事によれば、それが判明したのは2020年2月。セレッソ大阪での2シーズン目を始める直前であった。

2歳の息子のミゲウが腹部膨張の症状を示し、3月になってよりその腫れが大きくなったために小児科医の下を訪問したという。

そして診断を受けたあと、医師からは「ミゲウは肝臓に悪性腫瘍を持っている」と伝えられたとのことだ。

ブルーノ・メンデスはすぐにセレッソ大阪のドクターや通訳と協力しながら検査のスケジュールを設定。血液検査や超音波検査を実施したあと、ミゲウの病気は「肝芽腫」であることが明らかになった。

これは子供の肝臓に出来る特殊な悪性腫瘍で、日本では1年に40~60人しか発症しないという稀なもの。肺に転移しやすく、そうなった場合は5年生存率が50%まで下がってしまう。

ブルーノ・メンデス夫婦は、新型コロナウイルス流行が進む中、ブラジルに戻って手術を受けるか、あるいは日本で治療するかの二択を迫られた。

彼らはブラジルに戻ることを選択し、各国の空港が次々と閉鎖される中で乗り継ぎを駆使してようやく帰国に成功。非営利団体「Graacc」の支援の下、ミゲウは治療をスタートさせた。

化学療法が行われたあと、6月3日にミゲウは4時間半に及ぶ大手術を受ける。肝臓の70%を切除することになったが、幸いにも転移は見つからなかった。これにより、ミゲウの体からすべての腫瘍が取り除かれた。

そこから、ブルーノ・メンデスはサッカーに復帰するための動きを始めた。

手術の二週間後に彼は単身日本へと戻り、4ヶ月の間家族から離れてプレーすることに。それでも7月上旬からの公式戦28試合で12ゴールを決める活躍を見せ、10月にはようやく日本へと渡航できたラリッサとミゲウとも再会できた。

ラリッサ

「日本に戻った時、ブルーノは『父と夫であるだけでなくプロ選手でもある』と言っていた。彼はプロ意識を持ってすべてを対処しなければならなかったので、止められはしなかった。

チームはこれ以上不可能なほどにたくさんのことをしてくれました」

それ以来、ブルーノ・メンデス、妻ラリッサ、息子ミゲウは日本で生活を続けるとともに、小児がんの治療を支援する「Graacc」にこれらのエピソードを伝えることにしたという。同じような戦いに直面した人々に希望を与えるために。

ラリッサ

「癌=死というイメージをなくしたい。それを連想させない方法はないとはいえ、癌のあとの人生もある。そして治療の間は人生が続く。自分はうまくいくと信じなければならない。

今、ミゲウは我々にとっての奇跡であり、力なのです」

今季も16試合で5ゴールを決めるなどストライカーとして一定の活躍を見せているブルーノ・メンデス。その日本での生活は息子の闘病を抱えたなかでのものだったようだ。

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