かつてアフガニスタン女子代表チームでキャプテンを務めたハーリダ・ポパルが、母国の状況について『BBC』のインタビューに答えたという。

ハーリダ・ポパルは現在34歳。2007年にアフガニスタン女子代表チームが設立されたとき中心になった選手だ。プレーの傍ら女性の権利を守るための活動にも積極的に取り組んだ。

しかし女性がサッカーをすることに批判的な国民から再三の殺害予告を受けたことから2011年にアフガニスタンを脱出。難民として各国を渡っている間に膝に大きな怪我を負い、プレーが不可能になった他、うつ病まで発症するという経験をしている。

その後は慈善活動を本格化させたほか、デンマークに拠点を置くスポーツキットメーカーのHummelと協力してムスリム女性用のヒジャブ付きユニフォームを作るなど、精力的に支援を行ってきた。

しかし、そのアフガニスタンでは先日イスラム教原理主義組織のタリバンが首都カブールを制圧するなど、大きな混乱が発生している。

【動画】イギリスはアフガニスタン難民を2万人受け入れることを発表した

タリバンの主義では女性がサッカーをすることは厳しく禁じられており、女子サッカー選手は弾圧の対象になるのではないかと恐れられている。

ポパルはインタビューに対して以下のように話し、アフガニスタンに残っている選手にはとにかく姿を隠すように勧めていると明かしたそうだ。

ハーリダ・ポパル

「アフガニスタンの選手たちからは、見捨てられ、家から外に出ることも許されない…という嘆きのメッセージを受け取っています。彼女たちは恐れています。

すべての夢は去ってしまいました。まるで悪夢のようです。

かつて我々は、女性や少女に立ち上がることを勧めました。しかし今、我々は彼女たちに写真を削除し、ソーシャルメディアを閉鎖し、声を上げないように伝えています。

女子選手たちはとても声高に女性の権利を擁護してきました。そして今、彼女たちの命は深刻な危機に瀕しています。

2001年までは女性に一切の教育が許されず、男性の伴いなしに家を出ることもできませんでした。

過去20年間、女性は権利と自由のために立ち上がっていました。危険を犯し、顔を出して。またこのようなことになるとは思っていませんでした。

皆さん、どうか身元が明らかにされている女性たちを保護するのを手伝ってください。選手たちを安全に保つことを手伝ってください」

【Qolyインタビュー】J2ジェフユナイテッド千葉DF岡庭愁人が母校の先輩からもらった言葉…未知のコンバートを乗り越え「熱くて、強い選手になる」