――試合展開やコミュニケーションの部分で考えた場合、今回のメンバーで期待する選手、ポイントになるような選手は誰になりそうですか?
やはり中盤の攻防ですね。まずは守備面で早めにリスクマネジメントしてピンチの芽を潰すところがポイントになると思います。
そういう部分では中盤の底に入る遠藤航はキーマンの一人。あとは少し後ろ目からパスを供給する選手……柴崎岳や田中碧あたりのプレーが重要になると見ています。そこから前線の選手が仕掛けられるゾーンにどれだけボールを出せるかですね。
――サウジアラビアでは約3万人のサポーターが来場すると言われています。日本代表としては久々の完全アウェイ。さらにサウジアラビアの異様な雰囲気が予想されます。
日本代表としては数万人のお客さんを入れての試合は久々ですよね。最初は少し面食らうところがあると思いますし、試合の流れによってはすごく重圧を感じるようなこともあると思うんです。
でも、大観衆の中でプレーすることによって、自分たちも引き出されるものが必ずあります。そこはうまく自分たちのアドバンテージに変えていけるように考えるメンタルを持つことが大事ですね。
――宮本さんは声が聞こえない環境下で意思疎通を図るための工夫はどうされていました?
大声で叫んでも聞こえないのであれば、プレーが切れるタイミングで少し前に起こったことを伝えたりしていましたね。とにかく自分の前や隣にいる選手とのコミュニケーションを大切にして、伝言ゲームのように一つ先の選手に伝えてもらったりしていました。自分たちのスローインになったときに駆け寄って伝えたりもしていました。
少し遅れてもいいので意思疎通を大切にしていくことで、チームの方向性が統一されますから。一丸となって戦うためには、ピッチにいる全員の考え方をそろえる必要があるので、そのために試合中の時間をうまく使うことが大事ですし、まずは開始15分をしのぐことでゲームを作っていけると思います。
――宮本さんと同じくキャプテンを務めている吉田麻也選手にも期待されている部分は大きいかと思います。
本当にしっかりとした雰囲気がさらに増していますよね。キャプテンマークを巻くことで鍛えられたこともあるでしょうし、発言内容を深く考えたりもしていると思います。
最近はセリエAでのパフォーマンスが上がっているようですし、強豪相手に得点も決めていますよね。ピッチ上ではそういったポジティブな要素を出してもらいつつ、オフ・ザ・ピッチで選手間やコーチングスタッフとコミュニケーションを取れる選手だと思うので、うまくグループの中で踏ん張ってもらって、チームを前向きに進めてもらいたいですね。