――1勝1敗で迎える10月シリーズは本当に大事な2連戦になります。特にサウジアラビアとのアウェイゲームは苦戦が予想されています。

2連勝しているサウジアラビアはホームの声援を受けて精神的優位に立ち、アグレッシブな姿勢で試合に入ってくることが予想されます。日本としては押し込まれて耐える時間帯が長くなることを想定しながら、チャンスを狙う展開になるかもしれません。

もちろんフタを開けてみないと分かりませんが、初戦で黒星を喫してしまった日本としては、連勝スタートのサウジアラビアを直接対決で引きずり下ろすチャンスだとポジティブに考えて臨むべきじゃないかなと思います。

――日本代表は中東のアウェイゲームで苦戦を強いられている印象があります。かつて宮本さんも経験されていますが、どんな難しさがあるんでしょうか。

まずはスタジアムの異様な雰囲気ですね。とにかく先に点を取られると難しくなります。男性ばかりの大観衆で、先制点したら場内のボルテージがどんどん上がっていく。それがいろいろなプレッシャーに変わっていき、審判団や相手チームにのしかかってきます。

もちろんそのボルテージは、こちらが点を取ることで落とすことができます。サッカーでは一般的に先制点が重要だとされていますが、中東でのアウェイゲームは普段以上にカギを握ることになると思います。

――それを乗り越えるために必要な要素、考え方はどのあたりになるのでしょうか。

そこが日本代表チームの団結力が問われるところです。試合に出ているメンバーだけじゃなく、コーチングスタッフ、ベンチの控え選手、それ以外のチームスタッフを含めて、いろいろな意味でコレクティブな要素が求められると思います。

それに中東特有の蒸し暑い気候への対応も求められますね。自分も現地入りする前のコンディション調整にはすごく気を使っていました。

もちろん様々な難しさはあると思いますが、それも乗り越えなければならないもの。選手たちはしっかり自覚していると思います。

――オマーンとの初戦もそうでしたが、サウジアラビア戦もチームとしての準備期間が非常に短くなることが予想されます。そんな状況で中東のアウェイゲームに臨むにあたって、どんなものが必要になるとお考えですか?

どういうサッカーをすれば自分たちの良さが出せて、相手の嫌なところを突けるのかをチーム全体で共有することですね。

準備期間が短いのであれば、ピッチ上でのトレーニングはもちろん、ピッチ外での時間を大切にして、可能な限りコミュニケーションを取って情報交換していくことがチームの助けになると思います。