サンティアゴ・ベルナベウで行われるレアル・マドリー対バルセロナのエル・クラシコ。
宿敵である両クラブでプレーした選手のひとりが、元ポルトガル代表ルイス・フィーゴだ。
2000年、バルサのキャプテンだった彼はレアルへの禁断移籍で大きな物議を醸した。
『Guardian』で当時を振り返ったフィーゴは「バルサで全てを手にしたが、レアル移籍でそれを失った。自分はモルモットだった」と語った。
当時、バルサとの関係が悪化していたフィーゴは、レアルの会長候補だったフロレンティーノ・ペレス、代理人ジョゼ・ヴェイガ、移籍を仲介したパウロ・フットレらの説得で移籍を決断。
ヴェイガは移籍を反故にした場合には3000万ユーロ(43億円)の違約金を支払うという契約を締結し、フィーゴはそれに縛られることになった。結局、フィーゴはヴェイガとの関係を1年後に解消している。
金を手にしたフィーゴだが、多くのものも失ったそう。
「いなくなった友人たち。ただ、それでよかったのかもしれない。
私は彼らを友人だと思っていたが、そうではなかったからね。それに気づいた。
(バルセロナで)どう見られるかということで、彼らは一緒にいたがらなくなった。
難しいが、理解できる。いや理解できないけれど気にしない。
私は友情についての強い概念を持っているので、驚くだろうね。
(裏切られて)苦しむ人は本物だと思っていた人達との関係が思ったようにいかないからさ。
自分はバルセロナで全てを手に入れたが、『二流クラブに行くのは違う』と思った。
もし、レアルでなければ、移籍しなかっただろう。
チャレンジだったし、自分が非常に重要な一部になるという確信に基づいた決断だった。
大失敗になるかもしれなかったが、ありがたいことにそうはならなかった」
レアル移籍で疎遠になった人達もいたが、本当の友情に気付けたのはよかったかもしれないと感じているようだ。
なお、レアルではスター選手たちを束ねたビセンテ・デルボスケ監督の存在が大きかったそう。