開幕が間近に迫ってきたFIFAワールドカップカタール大会。

そうしたなか、JFAの企画で元日本代表の稲本潤一と今野泰幸が対談した。

前者は2002、2006、2010年のW杯3大会に出場、後者も2010、2014年大会に出場している。

ジーコが監督として率いた2006年大会の日本代表はタレント揃いで前評判も高かった。

本大会直前に行われたドイツとの強化試合は2-2の引き分けながら、世界の強豪相手に堂々たる戦いぶりを披露。だが、肝心の本大会では、オーストラリアに3-1で敗戦、クロアチアは0-0のドロー、そして、ブラジルには1-4で惨敗するという惨憺たる結果に。最下位で敗退となったが、スタメンを固定するジーコの起用法もあり、チームは空中分解していたとも報じられた。

稲本は当時を振り返り、こんなことを話している。

「歴代の日本代表と比べても確かにタレントは充実していたと思います。ただ、個性の強い選手だけでは、世界で勝つのは難しいです。

オーストラリア代表のフース・ヒディンク監督は、日本代表をよく研究していたと思います。僕らが嫌がることをやってきて、こちらは最後まで持ちこたえられなかった。

チームをまとめて、引っ張っていけるようなベテラン選手がいなかったのも大きいと思います。

先ほども話しましたが、現在のチームでいうところの長友佑都選手らのような存在は大切だと痛感した大会でした」

選手たちの能力的には高かったものの、個性がぶつかり、それをまとめられるベテランの存在もなかったと指摘。

また、稲本は「代表経験が豊富な選手は、チームにとって大事な存在だからね。例えば、全体の雰囲気や練習の締まり具合などは、彼らがいる、いないで違いが出てくるでしょう。過去の大会を振り返ってもそうですが、川島永嗣選手や長友選手のような存在は必要不可欠です」とも述べている。

36歳長友や39歳川島のようなベテランの存在は絶対に必要と強調していた。

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ちなみに、今野から中田英寿はどんな人だったのかと聞かれた稲本は「うーん、自分から年下の選手に積極的に話すタイプではなかったかな。でも、こちらから話し掛けると、すごく優しくしてくれる人。僕らの世代の選手にとっては、“良きお兄さん”のような存在だったよ」と話している。

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