――具体的にどういうところを突き詰めたのですか。

例えばエストニアの場合でいうと、得点王を取ったロシア人選手がいました。彼なんかは国内リーグとカップ戦を含めて40点ぐらいを取っていたんですよね(2014年シーズンにロシア人FWエヴゲーニイ・カバエフがリーグ戦36得点で得点王を獲得)。

それを見ていた部分もあったり、それ以外の国もですけど、基本的にストライカーはサッカーの中でも特に違いを見せられる選手でなきゃいけない。

いわゆる自国の選手は一定の身長だったり、体格だったり、持っている気質だったりとか性格的なものもあって、一般的な平均値があります。

それ(一般的な平均値)を超えたときに初めて(他と)違ったプレーが出て、数字として顕著に出るのがストライカーなのかなと思っています。

それと同時にリーグ、チームや大会によってどういう選手が得点を挙げられるのか。その当時の選手に関しては結構ボックス内でのプレーが多かったのと、後はボールを奪取するエリアとかも結構決まったところが多かった。

どこまで守備しに行くのか、受ける位置だったり、ボックス内に入るまでのタイミングだったりとか。その辺は意識していたかなと思います。

当時自分が分析できることって言ったらボールを自分で奪って得点に繋げることもですし、どこへ行ったらより得点が奪いやすいか。

どの時間帯がいいか。なるべく(これらの要素を)取れるようにしていました。非常に重要視していました。

海外のリーグで現地人と同じ平均値であれば、突出した活躍は難しいという。スコットランド人にないスピードと抜け出しの感覚を備える古橋と、徹底した分析を基に得点を量産した和久井さんは現地人の平均値以上の強みを発揮できたから得点を量産できた。

プロのスカウトの基準に選手が如何なるときでもアベレージ以上の強みを出せているかを評価する場合がある。現地人の基準を上回る突出した強みが活躍のヒントになりそうだ。