アーセナルで15年間にわたってスカウトを務めていたジル・グリマンディ氏は、キリアン・エムバペを獲得できなかったことが最大の失望だったと明かした。
モナコで大ブレイクを果たし、それからパリ・サンジェルマンへと移籍したキリアン・エムバペ。現在はアーリング・ハーランドと並んで世界最高のストライカーとして高く評価されている存在だ。
10代で2018年ワールドカップの優勝を経験し、25歳の現在はフランス代表チームのキャプテンとしてリーダーシップも発揮している。
ジル・グリマンディ氏は『Ladbrokes』に対して以下のように話し、2016年の段階でアーセナルは直接エムバペと交渉を行っていたと告白した。
「もしアーセナルがプレミアリーグを優勝し、ヨーロッパでも好調なシーズンを送っていたとしても、キリアン・エムバペが現実的なターゲットになったかはわからない。
ただ、我々は2016年に彼を説得しようとしたんだよ。アーセナルに来て欲しいとね。
我々はロンドンの練習場にまでやってきたエムバペの両親に会った。アーセン・ヴェンゲル監督(当時)やリチャード・ロー(当時の強化部チーフ)とともに、南フランスでエムバペ本人にも会いに行った。
そして、我々は彼を説得しようとした。ただ、我々にとって最良の時期ではなかったのだと思う。
エムバペとの話し合いはホームでスウォンジー・シティに負けたあとで行われた。しかもその前の試合もマンチェスター・ユナイテッドに負けていて、2連敗中だった。
しかも3日後にはトッテナム・ホットスパーとのノースロンドンダービーが控えていた。タイミングは理想的ではなかったね。
エムバペは我々のプロジェクトを拒否し、モナコと新しい契約を結んだ。彼を説得できなかったことは、アーセナルでスカウトを務めた15年間で最大の失望だった。
彼はクラブを変えることができる選手だった。それは間違いない。世界にもそれほどいない存在だ。スカウトやマネージャーとして、そんな選手と出会えるのは人生で一度あるかどうかである。
直感としては、彼はレアル・マドリーを愛していて、PSGも彼を残したいと思っている。だからアーセナルが将来的に彼を獲得できるとは思わない。もし来てくれたら素晴らしいことだけどね」
もしその段階でアーセナルがキリアン・エムバペを獲得できていたらどうなっていただろうか…。