前園真聖が運営しているYoutubeチャンネル「おじさんだけど、遊んでもいいですか?」は5日、2023年のJリーグを振り返る動画を公開した。

出演したのはホストの前園真聖のほか、解説者として活動している福田正博、そしてガイナーレ鳥取のGMを務める岡野雅行。

その中で、福田正博が浦和レッズのコーチを務めていたときに経験した「フォルカー・フィンケ監督の特殊なミーティング」について話していた。

福田「俺が浦和レッズにコーチで入ったとき、フィンケさんというドイツ人の監督がやってた。そのミーティングで…。

ミーティングで映像を見せるとき、大体はいいシーンと悪いシーンを編集してさっと流す。でもフィンケさんは『何も起きない、何も起きてないシーンを20分流す』って言ったんだ。なんにもない、ゲームが動いていない20分間を見せたいから、その映像を編集してくれと。

『サッカーはそのような時間が長いんだ。そこでどうやってゲームを進めていくか。それが90分間の試合だ』と。

『何かがある場面だけ編集して見せれば、あたかもそのような箇所がたくさんあるように見えるけれども、それは良いところを作っているだけ。90分の中で数回しかない。それ以外の時間をどうやってコントロールするかが試合というものだ。それがサッカーの本質だ』って言われたんだよ。

でも日本の人たちはそうは思っていない。ハイプレスしてショートカウンター、それが我々の狙いなんだとなれば、そのような場面を編集してバンバン流す。

そうすると、それをずっとやり続けなければならないように選手たちは思うけれども、そんな場面は90分に数回しかないと。それ以外の部分こそがサッカーというスポーツの本質なんだと。それを理解してもらいたいから、その映像を見せたいんだと。それを言われた時に、『ああ、これは変人だな』と思ったけど(笑)。

その前、俺がS級ライセンスの講習を受けた時、オリンピック代表の監督だった反町さんが講師で来て同じことを言ってたんだよ。その時は全然腑に落ちなかったけど、それは俺にまだ経験がなかったからだね。フィンケさんに言われたときは『ああそうだよな、サッカーって』と思った」

試合の中で起こった意味のある事象は、意味のないような時間帯から生まれる。そしてシーズンもいい試合と悪い試合がある。ダメな時にどうするかが重要で、それが良い時を生み出し、結果に繋がっていく。

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そのような長期的な目線、そして起点と結果の文脈やストーリーこそがサッカーの本質なんだ…ということをフォルカー・フィンケ監督から教わったようだ。

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